会社をたたんでも、自宅と生活を残せる可能性があります

― 経営者保証ガイドラインによる保証債務の整理 ―

会社の資金繰りに行き詰まり、破産や廃業を考え始めたとき、多くの経営者の方が最も恐れるのは「会社の借入れを個人保証しているから、自分も破産して自宅も失うのではないか」ということです。

しかし、「経営者保証に関するガイドライン」を利用できれば、破産にはない大きなメリットがあります。

  • 経営者個人は破産せずに保証債務を整理できる
  • 華美でない自宅や、当面の生活費を手元に残せる可能性がある
  • 保証債務の整理をした事実が信用情報機関に登録されない(いわゆる「ブラックリスト」に載らない)

当事務所では、法人破産の申立てと併せて、経営者の保証債務をこのガイドラインで整理する案件に力を入れています。

☎ 048-522-2532
受付:平日 9:30〜17:00(ご相談はお電話でご予約ください)

経営者保証ガイドラインとは

経営者保証に関するガイドラインは、日本商工会議所と全国銀行協会を事務局とする研究会が平成25年12月に公表し、平成26年2月1日から適用されている、中小企業・経営者・金融機関に共通の自主的なルールです。法律ではありませんが、金融庁・中小企業庁が利用を後押ししており、金融機関には誠実な対応が求められています。

このガイドラインには、大きく2つの場面があります。

1 入口(融資時):経営者保証なしの融資や、既存の保証の解除を求める場面
2 出口(債務整理時):会社が事業継続困難になったとき、経営者の保証債務を破産によらずに整理する場面

このページでご案内するのは、主に2の「出口」、つまり会社の破産・廃業・再生に伴う保証債務の整理です。

対象となる債務の範囲にご注意ください

ガイドラインで整理できるのは、原則として、銀行・信用金庫・信用保証協会・政府系金融機関などの金融機関等(対象債権者)に対する保証債務です。会社の買掛金などの商取引債務の個人保証や、経営者個人の固有の債務(住宅ローン、個人のカードローン等)は、原則として対象に含まれません。

もっとも、例外があります。ガイドラインは、弁済計画の履行に重大な影響を及ぼすおそれのある債権者を、対象債権者に含めることができると定めており、廃業時の場面では、リース債権者や固有債務の債権者も対象債権者になり得ることが「廃業時における基本的考え方」で明確にされています。ただし、その場合には、当該債権者を含むすべての対象債権者の同意が得られることが前提です。

固有債務の額や内容によっては、これらを対象に含めて一体で整理する方法もあれば、住宅ローンは約定どおり支払い続けて自宅を維持する方法、破産等の別の手続を選択する方が合理的な場合もあります。どの債務をどの枠組みで整理するかの設計を含めて、ご相談時に全体像を確認します。


破産との違い ― 何が残せるのか

■自宅
破産:原則、処分の対象
ガイドライン:「華美でない自宅」は残せる可能性あり

■手元に残せる財産
破産:自由財産(原則99万円まで等)
ガイドライン:自由財産に加え、一定期間の生計費等を残せる可能性あり

■信用情報
破産:事故情報として登録される
ガイドライン:登録されない

■官報公告
破産:あり
ガイドライン:なし

■資格制限
破産:手続中は一部資格に制限
ガイドライン:なし

ただし、ガイドラインを利用するには条件があります。すべての債権者(対象債権者)の同意が必要であり、誠実な資産開示や、早期に着手することによる「経済合理性」(債権者にとって破産より回収が多くなること等)の説明が求められます。利用できるかどうかの見極めこそが、弁護士の重要な仕事です。


こんな方はご相談ください

  • 会社の資金繰りが厳しく、破産か廃業を考え始めたが、個人保証が心配な経営者の方
  • 金融機関から代位弁済の通知や、保証協会・サービサーからの請求が届いた方
  • 後継者がおらず会社をたたみたいが、借入れの保証が残っている方
  • すでに会社の破産を決断し、自分自身の債務整理の方法を検討している方

代位弁済の後や、会社の破産手続と並行しての利用も可能です。ただし、資金と時間の余裕があるほど選択肢は広がります。「もう手遅れかもしれない」と思われる段階でも、まずはご相談ください。


手続の流れ(廃業型・特定調停スキームの例)

1 ご相談・資産負債の把握
会社と経営者個人の資産・負債・保証の全体像を確認し、ガイドライン利用の可否を検討します。

2 方針決定
法人の処理(破産・特別清算・再生)と、経営者の保証債務整理(ガイドライン/破産)の組合せを決めます。

3 一時停止の要請・金融機関との協議
対象債権者に対し返済の一時停止を求め、資産開示と弁済計画案の協議を進めます。

4 弁済計画案の作成・調停申立て
残存資産の範囲を含む弁済計画案を作成し、簡易裁判所への特定調停申立て等により、全対象債権者の同意を得ます。

5 計画成立・弁済の実行
残債務は原則として免除され、経営者は再スタートを切れます。


当事務所に依頼するメリット

1.法人破産と保証債務整理を一体で設計します
さいたま地方裁判所熊谷支部から破産管財人に選任されてきた経験があり、裁判所・管財実務の視点を踏まえて、法人の破産申立てと経営者のガイドライン整理を一体で組み立てられます。

2.財務の言葉で金融機関と協議できます
弁護士としての法的検討に加え、決算書・資金繰りの状況を踏まえた説明資料を作成し、金融機関・保証協会との協議に臨みます。

3.地域の実情を踏まえた対応
昭和51年の開所以来、熊谷を中心に埼玉県北部の中小企業の法律問題に携わってきました。経営者保証ガイドラインを利用する上で不可欠な地元金融機関・保証協会との手続にも対応しています。


よくあるご質問

Q.顧問税理士に知られずに相談できますか。
A.はい。ご相談内容は秘密として扱います。もっとも、ガイドラインの手続では税理士の関与(資産開示の裏付け等)が有益な場面が多く、ご希望があれば顧問税理士との連携方法も含めてご提案します。税理士・会計士の方が顧問先について匿名でご相談いただくことも可能です。

Q.従業員や取引先にはいつ知られますか。
A.方針決定までは秘密裏に準備を進めるのが通常です。公表・通知のタイミングは、給料・仕掛かり案件・在庫の状況を踏まえて計画的に設計します。

Q.費用はどのくらいかかりますか。
A.会社の規模・債権者数・資産の状況によって大きく異なるため、一律の金額はお示ししていません。ご相談の際に、弁護士費用と裁判所に納める費用(予納金)の見込みを具体的にご説明します。費用の原資が残っているうちにご相談いただくほど、選択肢は広がります。

Q.すでに代位弁済されてしまいました。もう遅いですか。
A.代位弁済後でもガイドラインの利用は可能です。あきらめる前にご相談ください。

Q.住宅ローンや個人のカードローンもガイドラインで整理できますか。
A.対象は原則として金融機関等に対する保証債務であり、ご自身の固有の債務は当然には含まれません。ただし、弁済計画の履行に重大な影響を及ぼすおそれのある債権者は対象債権者に含めることができ、廃業時にはリース債権者や固有債務の債権者も対象になり得るとされています。その場合は当該債権者の同意も必要です。含めるか否かで手続全体の設計が変わりますので、債務の全体をお聞かせください。


ご相談はお電話で ― 早いほど、残せるものが増えます

保証債務の整理は、会社の資金と時間が残っているうちに動き始めるほど選択肢が広がります。金融機関への説明に必要な資料の準備、従業員への対応の原資、そしてガイドラインの前提となる「早期の決断による経済合理性」――いずれも、早い相談が有利に働きます。

「まだ決断していない」「破産すべきかどうかも分からない」という段階のご相談で構いません。まずはお電話でご予約ください。

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受付:平日 9:00〜17:30

お電話の際にお聞きすること(目安)

ご相談の予約時に、差し支えない範囲で次の点をお聞きします。事前にご準備いただくと、初回相談がスムーズです。

  • 業種と、おおよその借入総額(金融機関・保証協会分)
  • 借入先の金融機関の数
  • 現在の状況(返済継続中/リスケ中/督促・代位弁済あり など)
  • 資金繰りの見通し(あと何か月もつか)

参考リンク: 経営者保証に関するガイドライン(一般社団法人全国銀行協会)経営者保証(中小企業庁)
関連ページ:法人破産・会社の清算について