会社側のご相談

増加する労働者からの請求

近年,労働審判制度の整備,ブラック企業という言葉の流行,それに伴う労働者の権利意識の強化などから,労働者による残業代請求や解雇無効を求める請求,ユニオン(合同労働組合)による団体交渉申し入れなどが増えています。

 

当事務所においては,会社側の皆様からの労働相談に応じると共に,代理人として労働紛争に取り組んでおります。


会社側の皆様からのご相談内容に多いものは以下のようなご相談です。

① 残業代請求や未払賃金に関するご相談

退職した元従業員もしくは退職予定で有給休暇を取得したいという従業員から突然内容証明郵便が送られてきました。

内容証明郵便の内容は以下のようなものです。

「私は,貴社に入社して何年,何十年にもわたって労働に従事し,毎日何時間も残業してきましたが残業代(時間外手当)が支払われていません。そこで,過去2年間の未払の残業代(時間外手当)を請求致します。下記口座に本書面到達後14日以内にお振り込み下さい。また,正確な残業代計算のために,貴社の就業規則,労働協約,労働契約書,タイムカード,賃金台帳についても,お送りください。」

会社としては,つい最近まで自社で働いていた従業員からこのような書面が届くことは全く想定していないことです。

このような請求に会社としてどのように対応したら良いのでしょうか。

 

② 解雇に関するご相談

無断欠勤が続いた従業員,会社に対し損害を与えた従業員に対し,会社としてもやむを得ず解雇を言い渡しました。

 

そうしたところ,その従業員から退職証明書を発行しろという請求と共に,解雇は不当解雇だから無効だ,会社に復職させろ,解雇期間中の賃金を支払えという請求がきました。

 

会社としては,従業員に目に余る勤務態度があったからこそ解雇をしたのであり,正当な解雇だと思っています。

このような従業員の請求に会社としてどのように対応したら良いのでしょうか。

③ 団体交渉の申し入れに関するご相談

ある日,合同労組から従業員が合同労組に加入し,支部を結成したとして,「組合結成通知」「団体交渉申入書」という書面が会社に届きました。

 

確かに,支部の委員長という欄に記載がある名前は会社の従業員です。

 

その上で,労働組合の要求事項として,賃金アップ,休日確保等が記載されています。

さらには,その要求について,会社内を開催場所として,7日以内に団体交渉を行うことを希望すること,法律による団体交渉は拒否できないなどと記載があります。

また,不当労働行為は罰せられますという記載もあります。

 

突然,従業員が合同労組に加入したとしたという通知がきて,7日以内に団体交渉を行うことを希望するという通知が来て,会社としてはいったいどのように対応したら良いのでしょうか。


上記のようなご相談は当事務所において過去に何度となくご相談いただき,ご依頼いただいている案件です。

 

上記のようなご相談は,特に中小規模の企業においては,初めての経験のこともあるかと思います。そのような場合でも,ご依頼いただければ,当事務所の弁護士が代理人として相手方と交渉致します。その上で,相手方の請求の真意,他の従業員への波及,ご依頼者の方のご希望等から適切な解決策を御提案致します。

 

また,会社側としては対従業員との関係においては,契約関係の整備や解雇するにしてもそれに至る手続をどのように踏んでいるか等の紛争予防の事前準備手続が重要になるところではあります。そこで,このような手続をしたいけど問題ないのだろうかという点についても予めご相談頂ければアドバイスを致します。