当事務所に多くご相談にいらっしゃる案件として,「離婚をしたいけど,相手方が応じてくれない。どうしたら良いのか?」「離婚の条件で合意できない。納得出来ない。」「養育費はいくらくらいが適正なのか?」という具合に離婚に関するものがございます。
さて,一口に離婚といっても,離婚には①協議離婚 ②調停離婚 ③裁判離婚の三種類があります。
①協議離婚とは,夫婦が話し合って離婚に合意して,離婚届を市町村役場に届出をして行う離婚です。特に問題なく離婚する時はこの形式です。
子どもがいる場合の養育費,相手方に対する慰謝料,財産分与等は離婚の際に決めなくても構いませんが,離婚後になると実際上合意に達することは難しいので,離婚時に離婚協議書等を取り交わすことをお勧めします。
また,慰謝料も財産分与もいずれも時効期間がございます。時効が完成すると,ほとんどの場合,相手方に請求することが出来ませんので,その点でも離婚時に決めておくことがお勧めです。
離婚協議書をどのように書いたらよいか分からない,慰謝料や養育費の適正な金額が分からないといったお悩みをお持ちでしたら,当事務所にご相談下されば細かなアドバイスを致します。
②調停離婚は,協議離婚では夫婦お互いが合意できないが,離婚したい場合に用いられます。
手続は,夫婦関係調整調停申立書を家庭裁判所に提出して,裁判所で男女1名ずつの調停委員に,お互いの言い分を伝え,調停委員を通じ,離婚の合意を目指します。
調停の手続の流れは以下のとおりです。
家庭裁判所に申立書を提出すると,約1ヶ月から2ヶ月後に調停期日が決まります。
調停期日では,調停委員(男性,女性の2人)が申立てをした人の言い分を約30分ほどかけて聞きます。
調停委員は,申立てをした人の話を聞いた後,申立てられた人(相手方)の言い分を約30分ほどかけて聞きます。
このように調停では,お互いの言い分を約30分ずつ聞くというのを2回繰り返して,1回の期日は約2時間ほどかかります。
この間,夫婦は入れ替わりで調停委員に話をするので,お互いが顔を合わさないようになっています。
調停は,あくまでお互いが合意をして離婚をするもので,専門家である調停委員がお互いの話を聞いて,説得や提案等を行います。このように第三者が入ることで,夫婦の協議ではまとまらない離婚もまとまることが多いのです。
仮に,1回で合意に達した場合は,裁判官が成立した合意の内容を読み上げて,調停が成立します。
1回で合意に達しない場合でも,全く合意の見通しがない場合以外は,その1か月後から2ヶ月後ほどに第2回の調停期日を決めて,再度話し合いをする場合が多いです。
なお,調停離婚の際,大事なことは調停委員に,自分の言いたいことや,慰謝料が生じるような事情,こちらの要望を達成する為に有利な事情を正確に伝えることです。
そのためのお手伝いを私たち弁護士にご依頼頂けたら幸いです。
③裁判離婚は,調停でも離婚の合意が成立しない場合,それでも離婚をしたい時,家庭裁判所に訴え提起をして,判決や裁判上の和解で離婚をする場合に用いられます。
裁判離婚となりますと,夫婦お互いの主張を法的に構成し,裁判所に書面や証拠を提出し合い,判決獲得を目指すため,専門家である弁護士の関与がないと手続きの進行も事実上難しいです。
そこで,調停も不成立となり,いよいよ裁判をするしかないという場合は一度当事務所までご相談頂けたらと思います。
離婚の際に決めるべきこととして,大きく分けて①子どもに関することと②夫婦の財産に関することがあります。
子どもに関することでまず大事なことは,子どもの親権を夫婦のいずれが持つかです。
お子さんを持つ方にとって,親権がどうなるのかについて,非常に関心があるところかと思います。
子どもの親権をいずれが持つかは多くの要素がありますが,最終的には,総合的に判断していずれが親権を持つことが子どもの福祉に沿うかで判断します。
また,子どもの親権者が決まると,子どもを監護養育していく親権者は配偶者に対して養育費を請求することになります。
その金額は,一般的には養育費を請求する親と請求される親の収入の比較によって決定されます。
特に養育費を請求する側になるであろう方にお伝えしたいことは,
離婚や別居の前に是非一度当事務所までご相談下さい。
養育費請求を円滑に進めるために必要なことに関して,弁護士の立場からアドバイス致します。
①財産分与
離婚するにしても,例えば専業主婦の方は自分自身の収入がなく,自分名義の貯金がないため,離婚できないといったお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし,専業主婦の方もいわゆる内助の功で,夫を支えてきたはずです。
それなのに離婚時,夫名義の財産を全くもらえないというのは不公平です。
そういうときの為,法律上財産分与というものがあります。
「財産分与ってなに?」とお思いになられた方もいらっしゃるかもしれません。
誤解をおそれずに言えば,結婚から別居に至るまでに夫婦で築いた財産は原則として夫婦で半分にしましょうということです。
財産とは,預貯金以外に不動産,自動車,有価証券等が含まれます。
注意点としては,不動産に多いのですが,
住宅ローン等の負債をどのように分けるのかという問題があります。
この点は住宅ローンを組んだ金融機関との関係もあり,多種多様な解決法がありますが
その点についても私たち弁護士と話し合いながら柔軟な解決法を探しましょう。
②慰謝料
離婚の原因が相手方にあって,こちらは精神的にも大変な思いをしたのに,相手方から何もお金を取れないというのはおかしい,こういう場合に請求できるのが皆様も御存知かと思われます離婚の慰謝料です。
では,この離婚の慰謝料とはいくら請求できるのか?
よく芸能人の離婚などで慰謝料何千万円,何億円という報道をみることがあるかもしれません。
しかし,実際,裁判において普通の方の慰謝料で何千万円が認められることはまずありません。
慰謝料に関しては,婚姻期間や離婚原因,相手方の収入等といった事情を総合的に考慮して決められるので,離婚一つ一つで異なり,一概にいくらというものはありません。
そこで,私たちがご相談者の方から細かい事情を丁寧にお聞きして,
慰謝料を増額するような事情がないかを検討しますので,お気軽にご相談下さい。
また,慰謝料に関しても離婚を考え始めたら,別居の前に当事務所までご相談頂けましたら,どのようにしたら慰謝料請求を円滑に進められるのかについてもアドバイス致します。